MATO PARENTS JOURNAL
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BLUE
息子の「どっちでもいい」の真意とは
柿沼 絢乃
最近、近しい友人と仕事について話す機会が何度かありました。
そこで、仕事における「悩み」として、
あちらでもこちらでも同じような話を聞きました。
それは人との関わり方に関する悩みです。
具体的に言うと
「言葉上は肯定してくれているけれど、実のところ相手は私のこと馬鹿にしてるんじゃないか。」とか
「この言葉の裏側で、無能だと思ってるんじゃないか」とか
そういう思考が頭をよぎり、不安な気持ちが離れないという悩み。
友人の一人はそれを、「相手に対して “過剰に敏感になっている”状態」と表現していました。
複数の友人たちが、そのような状態に苦しむことがあると打ち明けてくれたのです。
最近ではテキストベースのやりとりも増え、
対面で話していれば感じ取れることも、文字上ではなかなか見えにくい。
そうなってくると、変に言葉の裏を考えて疲れてしまうという経験は私にもありました。
これが例えば、心から信頼している相手だったらそうはならないのかなと思います。
自分の家族や親友、古くからの同僚なんかと話をするときは
「この人のことは信頼しているし、恐らく相手も自分のことを信頼してくれている」
という双方向の気持ちを知っているから、不安になったり疑心暗鬼になったりしません。
なんと言いますか「この人となら大丈夫」って思える関係があるかと思います。
で、育児というフィールドでこのことを考えた時、
やはり息子たちには「この人となら大丈夫」「自分は信頼されている」という気持ちをたくさん持って大人になって欲しいなと思うのです。
もっと言うと、
何があっても受け入れてくれる、そういう人がいて、そういう環境があるという経験を、
たくさんたくさん心に詰め込んで社会に出て欲しいのです。
仕事上でつらい人間関係にぶち当たっても、
「でも自分にはあの人がいるから大丈夫」と、
避難場所のように思える存在を作って欲しい。
なんとなく、そんなことを考えました。
話が少し飛びますが、
保育園にお迎えに行くとき、階数の関係上、
いつも長男の部屋へ行ってから、次男の部屋に向かっています。
次男の部屋に行くときは、連絡帳なんかをカバンに仕舞う私を横目に、
真っ先に長男が弟のもとへ向かいます。
すると兄を見つけた弟は勢いよく駆け寄ってきて、ぎゅーっと抱きつくんです。
弟は兄のことが大好きなんですね。
脇目も振らず自分の元に駆け寄って抱きついてくる弟の存在は、
きっと長男にとって「自分は信頼されている」という気持ちの象徴でしょう。
息子達の子供時代に今私ができることは、
そういう信頼の気持ちをたっぷりと与え
「家族がいるから大丈夫」と思える土壌を築いてあげることなんだと思います。
まだ語彙が少ない弟の、ただただ抱きつくという姿から学ぶことは多いです。
私もあーだこーだと説明的になるのではなく、
時に息子達に、安心と愛情を伝えることだけに徹した態度を取ってあげたいと感じさせられます。
息子達も大人になり、社会に出れば人間関係に悩んだり、人の気持ちの裏を考えたり、疑心暗鬼になったり、つらいことも経験するでしょう。
でもそんな時にいつでも帰ってこれる「ここなら大丈夫」の場所として、私は存在したい。
そんな存在にならなくては。
そんなことを願いながら、今日も息子達と向き合う毎日です。
柿沼 絢乃
柿沼 絢乃
柿沼 絢乃
柿沼 絢乃