MATO PARENTS JOURNAL
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BLUE
息子の「どっちでもいい」の真意とは
柿沼 絢乃
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義実家のおかあさんが、毎月本が届く配本サービスで、息子達に絵本を贈ってくれています。
息子達も私も、その本が届くのを毎月心待ちにしている、素敵な贈り物です。
先日、そんな一冊を寝かしつけの本(我が家では「ねんねの本」と呼んでいます)にリクエストされ、息子達に読み聞かせることになりました。
その日初めて読む本で、五味太郎さんの本でした。
五味太郎作「うるさいぞ・・・」
読み進めていき、最後のページをめくったとき、思わず「え!?」と声が出てしまいました。
実に哲学的で、びっくりの結末だったんですね。
最後のページのその先には、想像の海が広く広く広がっていました。
翌日、パパが同じように“ねんねの本”としてこの本をリクエストされており、
息子達に読んで聞かせておりました。
そして案の定、最後のページで「ええ?」っと声を上げているのを聞いて、
私はなんだかしめしめ、という気持ちになったのでした。笑
子供って絵本を読んでもらうのが好きですよね。
まだ字が読めなかった頃は、休みの度に「よんでー」とパパのところにせっせと本を運んでいたのを思い出します。
大人はつい、物語にわかりやすい起承転結を求めてしまいがちですが、
子供向け絵本は時にそんな想像を遥かに超えたところに着地します。
私も夫も思わず声を上げたような展開(または別の意味で声を上げそうになるくらい、何も起こらず淡々とした展開!)が、
絵本の中では当然のようにあったりするから、
絵本って面白いなあって、大人になった今改めて思うのです。
長男が文字を読めるようになると、今度は次男が兄のところに「よんでー」と持って行ってます。微笑ましいです。
世の中がどんどん効率的になって、
いかに便利で、欲しいと思った答えにすぐ到達できるか、そんなところが重視される時代になりました。
何か情報を得ようと思ったら、検索ボックスに必要な言葉を入れる。
そしてクリックひとつすればライフハック的なページがわんさかヒットする。
当たり前のようにそういう時代を生きています。
先日、現代人は自分が欲しいと思ったものでない情報への耐性がどんどんなくなっている、
というようなコラムを読みハッとさせられました。
自分にも思い当たる節があったからだと思います。
時に無駄で、余白があり、今すぐ必要ではない、そんな情報を楽しめる余裕を失いたくないものです。
絵本は効率や利便性だけを追い求める世界とは遠いところに連れて行ってくれます。
冒頭の五味太郎さんの絵本には、何も答えが書かれていなかった。
読者の想像の世界にすべてを委ねたような結末でした。
私が子供にたくさん本を読んで欲しいなと思う理由はここにあると思っています。
短絡的に答えや結果を得ることだけを良しとせず、どこまでも広がる想像の大海に飛び込み、心ゆくまで色んなことに思い巡らせる。
そんなことができる子になって欲しい、それを良しとする価値観を持って欲しい。
そんな気持ちがあるからです。
誕生日プレゼントに「自分たちが登場する本!」をプレゼントしたこともありました
きっと世の中は更に便利な世界になっていくのでしょう。
新しい技術がどんどん生まれ、それに順応しながら生きていくのが、息子達の世代なのだと思います。
でもそんな世界の中でも、いつまでもずっとそこにあるだろう絵本や本に、心の拠り所があれば良いなと思っています。
そしてそんな拠り所があることを、小さな息子達に伝えていきたいなと思っています。
大人の真似をして活字の本を広げる姿。あっという間にそれが読める日も来るのだろうな・・・
柿沼 絢乃
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