MATO PARENTS JOURNAL
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BLUE
息子の「どっちでもいい」の真意とは
柿沼 絢乃
長男は4月にひとつクラスが上がって年長さんクラスになりました。
同時に、それまで仲良くしてくれたひとつ上のお兄さんお姉さんクラスのおともだちは小学生になり、
残念ながら保育園で毎日会える存在ではなくなってしまいました。
クラスメイトのお母さんに話を聞くと
卒園間際に「お兄ちゃんお姉ちゃんに会えなくなって悲しい」と話す子もいたそうなのですが、
息子は特にそのような素振りを見せることもありませんでした。
「なかなかドライじゃないか、息子よ・・・笑」と思っていたのですが、
先日、ふとした瞬間に
「〇〇君(仲が良かったお兄ちゃん)に会いたい」と突然漏らし、はっとしました。
息子もずっと心の中に思うところがあったようです。
『会いたいけれど会えなくて悲しい感じの気持ち?』と聞くと
「うん、そう」とのこと。
『そうかあ、それは【寂しい】っていう種類の気持ちかもしれないね』
と、教えると神妙な顔をして頷きました。
長男、5歳。
思えば自分の意思も記憶もしっかりあるようになってから、
会いたい人に会えなくなった、初めての経験だったかもしれません。
息子が経験する初めての【寂しさ】でした。
5歳にもなると大分色々なことがわかるようになってきたなと思うのですが、
こういったふとした瞬間に
「あ、これは彼にとって初めての感情なのか」
と気付かされることがあります。
先日、体調を崩した時も
「具合が悪い、、、こわい。」と漏らしました。
大人になると、風邪の予兆を感じても「あー参ったなあ」くらいにしか感じませんが、
息子にとって自分の身体がどうにかなってしまったような感覚は、不安であり恐怖だったのでしょう。
『大丈夫大丈夫、必ず治るから。
そしてそれはきっと【不安】っていう種類の気持ちだけれど、ずっとは続かないよ。
元気になれば気持ちも元気になる』
と伝えました。
「寂しさ」も「不安」も、きっと彼が大人になるにつれて何度も何度も経験する気持ち。
今はまだ「それは寂しさだね」とか「それは不安っていうんだよ」とか、
息子が漠然と抱く感情に印をつけてあげることで、
親として道筋を照らすような役割を担っていると感じています。
ですが息子の成長に伴い、今後は「そのような気持ちとどう向き合っていったらいいか」伝えてあげなければいけない日もくるのだと思います。
その日がやってきたら、
私は親としてどんなことを伝えてあげたらいいのだろう。
母親5年生になったばかりの私には、まだまだ答えが見つけられない難題です。
寂しさ、不安、悩み、苦しみ、それらを乗り越えて生きていく。
もちろん私もそうやって生きてきました。
息子にもそれらの乗り越え方を伝えたいからこそ、
まず自分はそういった感情にどうやって立ち向かってきたのか
思い返すところからはじめてみなければと思います。
大袈裟かもしれませんが、なんだか改めて
“自分の生き方を振り返るきっかけ”
を与えられたような気がしているのです。
子育ては、戻ることのできない子供の成長と共に、前へ前へ進んでいく印象でここまでがむしゃらにやってきましたが
ここにきて初めて「私はどうだったっけ」と過去に目を向ける機会がやってきたことに驚いています。
今後の子育ては自分の過去と、子供の未来とを行ったり来たりしながら進んでいくのかもしれない、
そんな新しい予感を得た4月の終わりでした。
いよいよ季節は夏に向かいますね。
この夏息子たちがどんな感情に出会い、どんな成長を見せてくれくれるのか、
楽しみながら過ごせたらと思っています。
柿沼 絢乃
柿沼 絢乃
柿沼 絢乃
柿沼 絢乃