PARENTS JOURNAL

お裾分けの林檎とアップルパイ

いま住んでいる場所では、よくお裾分けをしたり、もしくはしてもらったりと(昔ながらの?)ご近所づき合いに触れながら暮らしています。

もちろん全ての近隣の方と、というわけではありませんが、ゴミ捨ての際に挨拶をして最近どう?なんていう短い会話があったり、旅先からのお土産をもらったり、ポストにハロウィンのお菓子が入っていたり。なんてことのない小さな人との交わりが日々を豊かにしてくれているのだな、と思うことが多々あります。

 

先日はお隣さんから長野から届いたという林檎のお裾分けをいただきました。

 

(ちなみに「お裾分け」は"つまらないもの"という謙遜の意味を含んでいるので、場面によってはそぐわないこともあるのだとか。あまり馴染みはないですが「お福分け」という言葉もあり、たしかにこちらの方が多幸感あるなと。林檎のお福分け、感謝です!)

 

手にして明らかに市販の林檎とは異なる艶と色味。瑞々しさが溢れるような甘みと酸味が混じる薫り。大地の恵をこれでもか、というくらい吸収して大きくなったんだろうなと。食べる前から、これは絶対に美味しい!と断言できるほどの林檎たち。早速切ってみると、まぁなんて素晴らしい果肉の密度と蜜加減!

 

ひとくち齧るだけで滲み出てくる美味しさ。

 

アダムとイヴの禁断の果実も白雪姫が眠ってしまうのもこの林檎ではありますが、これを食べない方が罪深いぞという気持ちにさせるほど。歴史に刻まれるほど普遍的で象徴的な食べ物たる所以だな〜としみじみ。

 

果物にも野菜にも言えることですが、なにも手を加えずにそのままを味わうのが何よりの食べ方。とはいえ、まだ林檎が余っているので何かつくろうと思案。

そしてやはりたどり着く先はアップルパイ。旨味たっぷりの林檎を凝縮させてつくるアップルパイはとっても贅沢なこの上ないスイーツです。それにしてもパイって、スイーツにもなるし食材によっては食事としても楽しめる懐の深い料理ですよね。

 

作りながら思い出したのは、10年ほど前のロンドンでのこと。シェアしていたフラットのキッチンには大きなオーブンが鎮座していて、そのオーブンでイギリスの定番お菓子のアップルクランブルをよく作っていました。スーパーで日本によくあるパイシートが見つからず、アップルパイは断念。

その代わりに、パイ生地の代わりに小麦粉と砂糖とバターを混ぜたものを林檎の上にかけてオーブンで焼くだけという、簡単で素朴なアップルクランブルを時々のおやつにしていました。これにバニラアイスクリームを加えると格別。(アイスはフラットメイトのものを冷蔵庫から黙ってもらっていました笑)

パイとは違ったクッキーのような食感が味わえるので、ご機会があればぜひお試しを。

 

そうそうアップルパイですよね。

 

薄く切った林檎を砂糖とレモン汁としばらく一緒に煮詰めて、パイシートの上に。もっと他の作り方もあるとは思いますが、これくらいシンプルなアップルパイが好きなんです。林檎もパイもできるだけ薄く、食べた時にクリスピー感を楽しめるくらい。

 

でも正直薄すぎました。

 

もう少し林檎の層を厚くしてもよかったな〜と。アップルパイのアップルは躊躇せず大胆にたっぷり使うこと。これを次回の教訓に、ぎりぎりまで秋の味覚を楽しみたいなと思います。

 

そんなアップルパイのことを書きましたが、やはり林檎は丸ごとかぶりつくのがとっておきだなと、無邪気な子供の姿から。

 

 

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