PARENTS JOURNAL

暮らしの輪郭

いつか書こうと思っていたことがあって、今回はそのことを。

 

MATO JOURNALのライターを務めさせていただけることが決まったときの

顔合わせのオンラインミーティング内で、

わたしの暮らし方、「多世代同居」についてのお話になった。

 

わたしは、私たち夫婦と娘、夫の両親と暮らしている。

昨年12月までは夫の祖母も一緒に。大人5人と子供1人、一つ屋根の下。





そんな暮らしについて、担当の方から

「ごはんはどうしているのか」と疑問をいただいた。

 

そのとき、「なるほどなぁ、」「そんなところから確かに疑問ですよね」と笑って、

具体的にお答えしないままだったので、

今回はそのあたりの「暮らし」について書いてみたいと思う。

 

自分たちにとっては毎日の当たり前の暮らしのことでも、

違う家庭のことってまったくわからないですもんね。

 

また最近、「いずれ、二世帯住宅の可能性があって」

「我が家も二世帯を考えたことがあって」

「二世帯住宅で暮らしている友人が悩んでいて」など、

 

すでに多世代で暮らしていたり、未来にその可能性のある方が、

私が想像していたよりも存在するのだと知った。

 

今回、MATO JOURNALの担当さんとお話した「毎日のごはんのこと」のほか、

個人的に、多世代の暮らしについてのQを募集してみたので記事にしてみます。

 

多世代での暮らしについてどなたかの肩の荷を軽くできたり、

そういう折り合いの付け方ももあるんだなといつかの参考になったり。

そんな風に読んで頂けたら嬉しいです。

 

「Q. ごはんはどうしているのか」

まず、うちは、玄関・台所・お風呂などなどすべてが共用の「完全同居」というスタイルで、

60代の両親から2歳の娘まで、三世代で時間を合わせて一つの食卓を囲んでいます。

 

ごはんづくりは、夫の母か私のどちらか

「その日手が空けられるひとがつくる」です。

 

朝ごはんは、それぞれ仕事開始時間が異なるため各自で用意して食べるのですが、

昼ごはん、夜ごはんは、基本は家族全員で食べます。

 

全員が、それぞれで事業をもっていたり個人で仕事を請けていたりと

在宅をベースに働いているためどこかに出勤するということがなく、

昼ごはんはみんな12:00目処に帰宅、

夜ごはんも暗くなってきたらみんな帰宅(今時期なら18時頃夕涼みの頃に帰宅、冬なら16時半頃に帰宅)。

 

世代によって食べたいものが違うかどうかについては、

88歳の祖母がいた頃は、たしかに「バターや乳製品、肉が苦手」

ということでそれを考慮したメニューであったり、

祖母の分だけバターを抜くなどして少し工夫がありましたが、

(とはいえ祖母はとても手マメなひとで、手間のかかるような魚介類の下処理や

たくさんの野菜の下ごしらえをしてくれたりと、助けられていた部分の方が大きかったです)

 

今や、60代から2歳児までみんな一緒のメニュー。

家族それぞれの繋がりから、全国から山菜や野菜や果物など旬のものが届き、

父母の知人から美味しいお肉やチーズ、卵や牛乳、納豆もお取り寄せしたり、

祖母の繋がり深かった方からは魚介が届いたりと、

自分の畑で採れた青果物たちと合わせて、日々日々美味しい食材豊かです。

 

みんな好き嫌いや、特別に好き好みがないから、苦なく成り立っている食卓かもしれません。

「昨夜は豚肉だったから、昼は魚にしよ〜」

「ズッキーニがいくつかあるからそれで副菜つくろ〜」

と気の向くまま、もしくは旬の食材の鮮度に追いかけられながら!、

誰の好みを気にするでもなく食べたいように作っています。

うちは家業が農家なので、朝の選果が終わればいわゆるハネ品やおすそわけが台所にやってきます。

 

「Q. 洗濯は誰が担当ですか」

結婚して一年くらいは、夫の母と私とで手が空いている方が、

家族全員分を「白物系」「黒物系」とわけて毎日二回転させてやっていたのですが、

ある日から私の希望で「世帯別」にさせてもらいました。

靴下がどれとどれがペアか探すのが大変だったり(みんな黒の靴下だった日には…!)、

お風呂に入る時間帯が世代によって違い、洗濯機を回すタイミングが全員に合わせると朝にしか回せなかったりしたため。

今は、夜に私が洗濯物をして、朝にお母さんが洗濯物をして、靴下の神経衰弱もしなくて済み笑、平和です。

ちなみに、私が干した分の洗濯物はある日から夫が夜に畳む担当になってくれています。

こんな風にして、夫家族のこれまでのやり方を変化させてもらったこともたくさんあります。

 

 

「Q. 三世代、四世代暮らしをしてて良いことや難しいことや大事にしてることは?」

◎良いこと//

・日常で子どもの面倒を見てもらえる、これは本当に大きいです。

娘を一時保育へ預けに送る前に、なにか用事を足しに出かけなきゃと娘を連れて少し早くに玄関を出たら、

夫の父が「よし!じじと保育園へ行くか!」と連れて行ってくれるようなラッキーが起こります。

・生まれながらにして、日々多様性に触れることになる。

娘にとっての親世代・祖父母世代・曽祖父母世代、そして同世代であるいとこたち。

そのことがどのように影響するかはわからないですが、

わたし自身は家で口数の多い方じゃないので、人の往来が多めのこの暮らしでよかったんだろうなと思っています。

生後2ヶ月になる少し前、まだ抱っこしての散歩でしかお外に出たことのなかった頃。

夫の両親に娘をみていてもらったらいつの間にか庭で、両親と祖母とで一服していました。笑

娘は日の光の眩しさに手を向けているのかな?

こうして私の思考や行動の範囲を超えていくのが多世代での暮らしなんだなと思ったのでした。

 

難しいこと//

何十年も異文化で暮らしてきた同士だということ。

生活音の大きさ、洗った食器の水切りカゴへの立てかけ方、男性女性の家事参加への意識、、、

なにもかもすり合わせが必要。

 

大事にしていること//

マイペースは大事ということ。

起きる時間、寝る時間、お風呂に入るタイミング、などなど。

様子見をして合わせていたら一日中×毎日、疲れちゃうので。

合わせすぎない、マイペースに。それがとても大事でした。

 

 

「Q. 日常スケジュール気になります」

家族に聞き取りもしてみて書いてみました。

・4:30 夫 自室から出る

(→最近少ないですが、娘もこのタイミングで起きたときは、夫が連れていって朝ごはんや朝寝のお世話をしてくれます。)

5:00-6:00頃 夫の父母 各々の自室から出る

6:00頃 夫仕事へ

(→夫が娘を見てくれていた場合は父・母にバトンタッチ)

7:00頃 私と娘 自室からたいてい一緒に出る 、娘の朝ごはん・身支度

(→娘を父・母が見てくれていた場合は、外仕事に散歩がてら連れていってくれることも。私は気ままに一人で身支度をします。)

8:30 娘を一時保育へ送る

→父が連れていってくれることも多い

〜各々 仕事〜

12:00 全員で昼ごはん

→ごはんづくりは、母と私のうちの忙しくない方が。

→食器洗いは、各自がしつつ夫がメインでやってくれます。

12:30 わたしはPC仕事、みんなはお昼寝(かっこよく言うとシエスタ制度ですね笑)

13:20 みんな仕事へ

16:30 娘のお迎え

〜娘と、畑や牛舎などへ散歩。父母が見てくれることも

18:00 みんな帰宅しはじめる

→娘は、だれかが一緒に散歩に行くなどして、私はひとりでお風呂に入ることが多いです。

19:00前後 みんなで夕飯

→昼ごはんをつくった担当が夜ごはんもつくっています。

19:30 夫と娘がお風呂へ

→娘のお風呂上がりのお着替えなどフォローをして洗濯機を回し、私は2階へ上がりPC仕事へ。

・20:00 母、自室へ

20:30 夫と娘 歯磨き、居間をさっと片付け、就寝

→寝かしつけでなく、二人とも完全就寝です。

・21:30 父、自室へ。1Fのお掃除ロボのスイッチをオンしてくれる。

23:00-24:00 私 就寝

もちろんその日によって順番が入れ替わったり、細かい家事のことは省略していますが、

何より、きっとママである私のひとり時間が一日を通して取れている方ですよね。

書いてみて、他のご家庭のスケジュールも気になりました^^

 

 

「Q. 家計費の分け方などはどうなっているの」

家計費は、夫の父母・私たち夫婦、とそれぞれで毎月決まった額を共通の口座に入れています。

そこから食材や消耗品、電気水道光熱費なども支出。

共有のものへの大きな支出はその都度折半した額で支払います。

夫と父でそれぞれ別事業を持っているので確定申告もそれぞれ、

基本的に夫婦ごとに分けて考えています。

 

 

「Q. イライラしたり、気分が落ち込んでいる時はどうしてますか」

そんな気分の時の8割は、考え事として心に置きながら日常生活を送り、

だれかしらのなにげない言動や、娘との散歩で見る景色に元気になってみたり、

自分のとる行動で落ち着いていったり。

2割はぶつけてしまっています。

またはよほどのときは、車に乗って少し近隣をまわってきたり、遠出することも。

結婚して一年半くらいは自分の部屋に引きこもりがちでしたが、

いつの間にか、引きこもるということはしなくなりました。

たぶん、イライラしたり落ち込んだときに私は一人になりたがるしもともと考え事は好きですが、

本当の意味で元気になれるのはだれかと接したときなんだろうと感じています。

我が家には保護猫ちゃんが暮らしていて、結婚・同居を始めた年に、うちを訪ねてくるようになったこの子の存在の優しさにも助けられました。

 

 

「Q. おばあちゃんおじいちゃんは娘さんのことを怒ったり叱ったりしますか?

子供の怒り方に日々悩むので諸先輩方のご対応を学びたい…!との想いで質問します」

じじばばと娘とで庭に苗を植えているところ

夫の母は、おそらく自身も結婚して三世代同居で暮らしてきた経験から、

嫁の私の意見をかなり尊重した内容で叱ります。

私が守りたいことを、同じく守ろうとして叱ってくれています。

テーブルの上に上がっちゃだめ、など。

夫の父は、ほぼ怒る・叱るはないのですが、

一度だけ食事中に何かで一言叱ったときにその効果が絶大で、

娘は大きく受け止め、じわじわとしくしく泣いていました。

12月に亡くなった88歳のばあちゃんのことも思い出してみると、、娘へ怒ったことなかったなぁと。

夫に、子ども時代に祖父母に怒られたかと聞いてみたら、

やんちゃな三兄弟だったのでいじめられたりケンカしたときに、兄が怒られていたと。

エアガンの撃ち合いをした時(!)は、怒られたのを覚えているとのこと。

祖父母世代は、危ないという以外怒ったり叱ったりはあまりないのかもしれません。

躾という感覚に対して肩の力が抜けているのかもしれないですね。

 

 

以上、多世代での暮らしの現場からお答えいたしました^^

 

自分が身を置いている、子育て・家族のかたち を改めて振り返り言葉にしてみると、

今の暮らしの輪郭が違って見えてくる。

 

どんな子育て家庭・パートナーとの暮らしの上でもきっと同じで、

誰かと暮らすということは、予想外や範疇外のことを互いに起こしつつ、予定調和ではない日常に器を大きくしてもらう日々。

悶々としたとき、自分の中だけだと堂々巡りになりがちですが、

こうして誰かに伝える、誰かとお話する機会があるとそれはちゃんと消化できて自分の身にできるかもしれない。

伝える、お話しする機会、大切ですね。

 

 

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