MATO PARENTS JOURNAL
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BLUE
息子の「どっちでもいい」の真意とは
柿沼 絢乃
先日音楽を通してほろりと涙する事がありました。
今日は、その出来事について書きたいと思います。
私とパートナーである夫の出会いは大学時代の音楽サークルに遡るのですが
未だにその頃出会った仲間達は家族ぐるみで仲良くしてくれます。
残念ながら私自身は大した才能にも恵まれず(苦笑)
楽器に触れることもなくなってしまったのですが
中にはしっかりと音楽を続けている(中にはそれを生業にしている!)誇らしい友人達に囲まれています。
↑写真は長男がはじめて参列した結婚式の様子。友人の結婚式で余興前の一幕。
(今思えば、この時の息子はMARLMARLのお洋服でおめかししてますね!)
先日、そんな友人の一人が主催するライブに息子たちと行ってきました。
今までパパが参加していた屋外での演奏イベントなどには連れて行ったことがあったのですが、
ライブハウスで開催される場所に、一人のお客さんとして息子を連れて行ったことはありませんでした。
音楽の楽しみ方は人それぞれとはいえ、
子ども向けのイベントではないし、
やはり子どもが音と無関係な騒音を立てて良い場所ではないと思いますので
連れて行くか結構迷いました。
思い切って主催の友人に、息子たちを連れて行きたい旨を相談すると
「ぜひ、子ども達にも非日常を味わって欲しい!」と嬉しい返事をもらいました。
(事前に会場にも子どもの来場が可能であることを確認していたそうです)
私自身も久々に訪れたライブハウス。
完全なる大人空間に息子たちはソワソワしていましたが
私自身も、二人が最後まで観ていられるかソワソワしてしまいました。
↑そこまで大きな音が出るタイプのライブではなかったので使用しませんでしたが
会場には子ども用のイヤーマフの貸出もありました。ありがたいご配慮です。
(大きな音が出るライブであれば、子どもの耳を守るため使用をオススメします)
↑見た目にも楽しいポーチはこういう時の必需品
中に小さなアメを忍ばせて持って行き、途中で活躍しました。
(音が出ない小さなお菓子は、ここぞの時に重宝しますね)
二人とも、普段自分に気さくに話しかけてくれる友人達が格好良く演奏しているのを観て
どんなことを思ったんだろう、とステージを見つめる横顔を眺めながら思いました。
友人達の演奏を観たい、そして何より息子たちに観せたい!
という大いなる私のエゴがあって連れて行ったわけですが、
二人とも最後まで自分の席で静かに観てくれました。
何か感じ入るところがあったのではないかと思っています。
友人達のユニット名はaqubiといいます。
2018年にリリースされている「Scenes」というアルバムは何度も繰り返し聴いているのですが
その中でも「Eau」という曲が一番好き。
この曲はちょうど長男が1歳の時に発売されているので、
赤ちゃんの長男と二人きりで家にいる時や
次男妊娠時のかなり辛い悪阻中によく聴きました。
歌詞はなく、ピアノの旋律にハミングのような歌声が重なります。
そして、ライブでもこの「Eau」という曲が演奏されました。
曲がはじまった時、
あ、これは!
とすぐにわかりました。
小さな長男を抱きながら、慣れない育児に疲れたと感じた日や
次男妊娠の悪阻にただただ耐えるしかなかった日
それらを支えてくれた旋律を耳にして、いろんなことが思い出されました。
そして、ああ、そんな日があったから
今横で、息子たちと一緒にこのメロディーを聴くことができるんだなと感動したのです。
「Eau」は水という意味だそう。
水のように流れる旋律が印象的な曲ですが、
そんな音に乗って、過去の日々から今日という日まで、線のように流れる時を感じました。
育児をしていると、時々この
「点のような毎日が、突然線になって繋がる」
という感覚に出会うことがあります。
ひとつも飛ばすことのできなかった1日1日を重ねて
子どもたちは大きくなるんだなと感じる瞬間があるのです。
あんな日があった、こんな日があった、色々な日がずーっと繋がって線になって
今日の息子がここにいるんだなと。
"点"の日々はとにかく毎日目の前のことに必死なので、
「これが線のように未来につながっている」
なんて考える余裕は正直ありません。
でもがむしゃらな毎日があるからこそ
線のように繋がる成長があると、ふとした瞬間に気付いたとき
なんだかぽろぽろと泣けてしまうのです。
今回は素敵な旋律が、そのことに気づかせてくれました。
ライブハウスを出れば、また今日という"点"を必死で頑張る日常に逆戻り。
でも、次この旋律を耳にするとき、
思い出すであろう印象的な1日が、この日またひとつ増えました。
わざわざ出口まで見送ってくれたaqubiのふたり。素晴らしい演奏をありがとう。
aqubi「Scenes」 (Apple Music)
柿沼 絢乃
柿沼 絢乃
柿沼 絢乃
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