PARENTS JOURNAL

旅した、アイスランド。

旅欲が益々増してくるこの頃。



近場の温泉などには折を見て行くものの、以前のように「さぁ冒険にいこう!」的な心持ちで新たな土地に足を踏み入れるのは、なかなかこの状況下では難しくもどかしさが募るばかり。



 



国内もまだまだ訪ねたいところ山のようにありますが(何よりまだ入ったことのない温泉に・・・)

やっぱりパスポートを携えて、機内食はなんだろうな、席にモニターあるといいなとウキウキしながら海の向こうに行ってみたいもの。





そんな旅を感じるものとして、家のリビングのどこからでも見える壁にひとつの写真を飾っています。

写真家の加治絵里子さんが撮影した、アイスランドの氷河の風景。旅雑誌TRANSITで彼女の寄稿した記事を読み、

ちょうど同じタイミングで写真展が開催されていることを知り会場へ。そこで出会った写真作品でした。



まだその時はアイスランドに足を踏み入れたことはなかったけれど、

何かその風景に感じるものがあり我が家へといただくことに。

(今では加治さんとは家族ぐるみのお付き合いにもなり、同じ湘南エリアに住む者同士仲良くさせてもらっています。)



 



そして、いまから3年以上前の秋頃、初めて訪れたアイスランド。



仕事でロシアのモスクワに行く機会があり、距離も近くなるしその流れ行っちゃうかと気軽な気持ちで直前にレイキャビク行きの航空券をゲット。



他に旅先の選択肢もあったのですが、ビョークやシガーロス、アウスゲイルといったミュージシャンが奏でる音は

どんな場所で、どんな色や空気を纏った土地から生まれてくるのだろうと、しばらく憧れを抱くようにいつか訪ねてみようと思っていたこともひとつの理由でした。





小型のアイスランド航空機に乗り込み辿り着いたのは、こじんまりとした、綺麗に整備された空港。

大都市のハブ空港とは一線を画すシンプルな趣。どんよりとした空模様ではあったけれど、それも気にならないくらい、人が存在しない未知の場所に向かっていく高揚感が込み上げて来たのを今でも覚えています。



目的はアイスランドの島をぐるり一周。

大自然の中を行くのだからと迷わず4WDをレンタカー。少し車を走らせた首都レイキャビクの街で食料を調達し、いざリングロードと呼ばれる国道1号線へ。



途中様々な名所を巡りながら周っても1週間くらいかかる道のりを、4日間でという強行スケジュール。

旅のほとんどが運転になることを覚悟しながらでしたが、夕刻から始まったドライブはそんなことも苦にならないような景色が目の前に広がっていました。



レイキャビクからあまり離れていないのに、すでにまるで別の惑星にいるような、荒々しい美しさ。



そんな印象を抱くほど、あるがままの自然の姿が大地の上にむき出しに。きっと昔の地球はこんな姿をしていたんだろうなと、誰に遠慮することなく堂々とした生々しさを目の前に、驚嘆するばかりでした。



道すがら羊に出くわすことは度々で(万が一、車が羊に衝突した際には保険がカバーしてくれるくらい)山の方に行くと、崖を登り降りする野生の羊もちらほら。

 



真っ直ぐ続く国道が混雑することはほとんどなかったのですが、時折ちょっとした渋滞もあり、

なにかなと前方と見ると、そう羊の群れ。微笑ましい羊たちの行進もアイスランドをドライブするときに出会える名物なんです。



そして、温泉も。(おじさん、ごめん!) *撮影許可いただきました。



アイスランドは日本同様温泉大国で野外で楽しめる温泉スポットがいくつかあります。

特に有名なブルーラグーンはどこかで聞いたことがあるかもしれません。



ただ日本とは異なり、水着を着用したプールのような雰囲気。

お酒だって飲めます!結構ぬるめなお湯なのでちょっと物足りなさもありましたが、白濁した天然温泉は旅の疲れを癒してくれるスポット。

そういう意味でもアイスランドを旅する際には、水着は必須アイテムです!



もちろん氷河も目にしてきました。



年々、温暖化の影響で面積が小さくなっているという氷河。

アイスランド出身のアーティストであるオラファー・エリアソンもその危機を作品を通して伝えているように、同じ景色はもう見ることはできないのかもしれない。



と、自然が織りなす景色の雄大さと儚さが混在する現状を前に、しばらく時を過ごしていました。



旅にハプニングは付きものとはよく聞く言葉だと思いますが、僕の旅には結構ハプニングが多い方で、

フランスの空港でパスポートを失くしたり、オーストラリアの山中で歩けなくなったり、南フランスの街角でいきなり引越しを手伝うことになったりと・・・



まぁ色々あります。(笑)



このアイスランド旅のハプニングもかなりのもの。

長くなるので詳細省きますが、乗っていた車が走行不可能になり、レッカーされました。

この写真はレッカー車の運転手がちょっと友人に会うからと寄り道した農場での一枚。



モーリーという名の黒犬がとっても懐っこくて可愛く、いつか犬を飼うとしたらその名前にしよう!と密かに決めているくらい。



そう、車がレッカーされたことでアイスランド一周は実現できず、道半ばで断念。

国道を外れオフロードを走り続けてしまったのがそもそもの始まりではあったのですが、そのおかげでまた違ったアイスランドの風景に出会ったりと、忘れることのできない情景が頭の中に焼き付いています。



さらに帰りの飛行機に間に合うことができた安心感からか、どこかに大切なライカのコンパクトカメラを置き忘れてしまいアイスランドで撮影したほとんどの写真を失うということも。

だからこそまた訪れてみたい場所でもあります。次はひとりではなく、家族を連れてゆっくりと。



 



気ままなひとり旅ももちろんいいけれど、感動を共にする旅仲間がいるのはきっともっといいものだと思うから。



(車が動かなくなったときの寂しさや不安感はとてつもなく、本当に辛かったのです・・・)


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