JOURNAL

Breakfast in the cafe

Breakfast in the cafe

12月初旬、朝8時半ごろ。下北のカフェにて。

午前にある撮影までもう少し時間があるので、モーニングセットをいただくことにした。

柔らかいフレンチトーストとアメリカーノ。

お腹が空いていなかったのでシンプルにこれだけ。

周りにはお客さんが3組くらいいたと思う。

楽器をテーブルのそばに置いて何か話し合っているバンドメンバー達は

見るからに眠気が堪えられなさそうだった。

 

昼に近づくにつれて席は埋まっていってお喋り声も増えていくんだろうな。

 


 

Breakfast in the cafe

時は変わって20代前半、2月のこと。

仕事終わりの22時頃、深夜バスに飛び乗って京都へ行ったことがある。

あのキャッチコピーを思い出したみたいに

「そうだ、京都へ行こう」と思って

仕事の休憩中深夜バスを予約した。

突然、都会から離れなくてはと思ったんだと思う。

 

日々が忙しすぎると何かと思い切った行動を取ってみたくなる。

突然旅行に行くとか、SNSを全部ログオフするとか

伸ばそうと思った髪を切ってもらったりとか。

 

バスに乗り込んだのは覚えているけど

乗ってすぐ眠ったようで、全く覚えていない。

バスでも飛行機でも船でも、乗り込んですぐに何時間も眠れる体質でよかった。

1日中仕事してヘトヘトだったけど、

「これから京都に行ける」っていう気持ちを持って寝たら

なんとか心的にも疲れが回復した気がする。

 

当然のこと、目覚めたら京都駅にいた。

バスを降りたとき、朝6時を過ぎていたくらいだと思う。

その日の朝はよく晴れていた。

まろやかな朝日が京都タワーに当たっていて、その後ろは柔らかい水色。

空気澄んでいるからどこを見ても輪郭がはっきり見えた。

何年前のことでもその画をとても覚えている。

鼻から空気を吸い込んだら

鼻の奥を冷気がつつくようにツーンとして涙が出そうだった。

吐く息は白が濃くて、本当に冬の京都に来たなと思った。

その何時間後、午後には雪が降った。

Breakfast in the cafe

ホテルのチェックインまでには早すぎるので

京都駅前にあるカフェに入って、モーニングセットをオーダーした。

お客さんは一人か二人だっただろうか。

サイフォンコーヒーがずらりとカウンターに並んでいて

小粋で懐かしみのある喫茶店だった。

モーニングセットが来るまで席の近くに置いてあった雑誌を

いくつか席に持ってパラパラめくってみたりした。

 

オーダーしたモーニングセットが来た。

サンドイッチを食べてコーヒーを飲んで、ああと思った。

何もすることがない。というか、何もする必要がないんだ、最高だあ。

 


 

京都で感じたあの感じ、そして下北で感じたこの感じ。

ふたつがどこかシンクロしたような気がする。

どちらも幸福度が緩やかにじわじわ~っと上がったような。

そんな感じがすごく似ている。

 

朝からなんだかいい気分。

そういえば、あの京都の喫茶店を出た後私は一人旅を心ゆくまで楽しんだ。

なんてことないことだったけれど

あれは心を温めるためのウォーミングアップになったんじゃないかって思う。

 

ふと、京都の時から下北の時まで5年以上の時間が空いていたことに気づく。

早起きをして家の近くの喫茶店に行くことなんて

文字にしたら簡単そうなことなのに。

なんで何年もやらないでいたんだろう?

 

ずっと前からいつも私の頭から離れなかった3つの

「忙しい」「もっと寝たい」「他にやる事がある」

考えたら、どれをとって優先しても幸福度を高める即効性のあるものでもなさそうだ。

いつか、また朝にあの余裕ある時間を過ごしてみたい。

そしてまたじわ~っと幸福度を上げたい。

 

手帳のフリーページに「幸福度を高めたい場合:モーニングを食べに行くこと」と書いておいた。

 

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